はじめに・メッセージ
「いつか地域で仕事をしよう」
一度そう考えたことがある方にとって、3月11日に発生した未曾有の大震災は一つの転機になったのではないでしょうか。
大震災が発生するずっとずっと前から、地域では様々な問題が起こっていました。コミュニティの崩壊、加速する少子高齢化、産業の縮小、人口の流出・・・。今、そうした問題が東北だけでなく、日本の各地で起こっています。
そんな状況下で、あなたは地域や地元とどのように関わっていきますか?地域との関わり方を考えたとき、あなたはいつ、自分の思いを行動に移しますか?「いつか地域で仕事をしよう」の“いつか”は、今まさに目の前にあります。
このプログラムは、20代~30代の若手社会人を対象にしています。ビジネス経験を積んだ若手社会人が地域に入りこみ、その地域を変えていく姿を私たちはたくさん見てきました。
彼らは地域資源を発掘し、新たな価値・仕事を生み出し続けています。彼らの思いや行動によって地域の伝統工芸に新たな価値を見出したり、多くのUIターン者を生み出したりと地域を全体的な視点で捉えながら、地域をプロデュースしています。地域には今、自ら新たな価値・仕事を作り出すことが出来るプロデューサーが求められているのです。
私たちはあなたがビジネスの現場で培ってきた経験や能力が地域においても大きな武器になると感じています。だからこそ、私たちは地域を変える可能性のある人たちが地域に入り、新たなビジネスを起こすことで、地域の力を取り戻してくれると信じています。
しかし、その地域には見知った人もいなければ、そこで仕事をしたこともない。ましてや自分で事業を立ち上げたこともない。そんな状況で、どこから手をつければいいのか。本当に地域に入り込んでやっていけるのだろうか。それは誰もが抱く不安であり、だからこそ、多くの人が地域に行くことをためらってしまいます。
いきなり地域で仕事をつくることは簡単ではありません。その地域の資源を知ることや、なにより人との関係性をつくっていくことが、地域で仕事を創っていく上で非常に重要な要素になってきます。
このプログラムでは、地域で実績をあげながら、常に先進的な取り組みを行っている組織や団体において、期間限定の新規事業立ち上げリーダーという立場で参画します。
地域の資源を発掘し、新たな価値を生み出し、地域全体をプロデュースしている先輩起業家の元で、あなたは地域で事業を立ち上げるという経験を体感することが出来ます。
地域ならではの風習やしがらみなど多くの困難にぶつかることもあるでしょう。しかし、このプログラムを通じて、別の地域でも同じように事業の立ち上げに奮闘する仲間もできます。そうした仲間や先輩起業家、地域の人々に助けられながら、事業を立ち上げ、地域に新たな価値を創造したとき、あなたはきっと地域プロデューサーへの第一歩を踏み出しているのです。