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株式会社 R.project

地方地域で増えつづける、さまよえる「ハコモノ」資産に光をあたえる、「スポーツによる地域振興」と「合宿ビジネス」を併せた「合宿地づくり」プロジェクト。

基本情報

企業名 株式会社R.project
所在地 〒299-1909 千葉県安房郡鋸南町大六1032
担当者名 山浦 光博
団体HPのURL http://www.sunsetbreeze-hota.com/index.html

団体がフォーカスする社会的課題・地域の課題、理想とする地域のビジョン

▶株式会社R.project主力事業「合宿ビジネス」にまつわる背景と取り組みに関する概要

■地方地域の衰退、および日本全体との関連性
現在、日本の地方地域は「若年世代の都市部への流出」を根源とする様々な問題に直面しています。都心回帰の価値観の広がりに加えて、人口流出による地域経済の低迷や活気の喪失が悪循環となり、さらに国の公共事業や交付金の削減で地域の財政状態は弱く、その流れを止められずにいます。そして、この問題は地方と都市間の問題として考えると地方特有の問題に見えますが、「日本と海外」というスケールで考えると同じことが日本自体にも起こりつつあります。人口減、産業の空洞化、経済の停滞と国の財政状況の悪化、日本の地方地域の問題は国全体の課題でもあります。

■日本の地方地域の魅力
一方、日本の地方地域の中には海外にも誇れる非常にポテンシャルの高い地域が多く存在することもまた事実です。南北に細長い日本は四季の変化と豊かな自然に恵まれながら主要都市とのアクセスは良く、特に関東近辺の地域は世界最大の都市である東京圏に隣接しているうえ、羽田の国際化で海外へも距離が近づきます。
以上の課題とポテンシャルが同時に存在している地域に必要なことは、従来のように多額の税金を使ったハコモノ・バラマキ政策ではなく、既存の資源の有効活用です。
本来の価値を発揮できていない既存資源に目を向け、つなげて、地域外からの人やお金といった資本を呼び込むことが、地方地域そしてさらには日本の活路であると考えています。

■観光産業について
地域のポテンシャルに目を向け、地域外から人やお金を呼び込み、それを地元経済に還元する最も効果的な産業が観光産業です。人口が減少し、経済も成熟した日本において、観光産業はもっとも力を入れるべき産業の一つであり、実際に政府も様々な方面から観光産業の支援策を打ち出しています。2008年には観光庁が発足し、高速道路の値下げや休暇取得の制度変更や外国人観光客の誘致など、具体的な政策が急ピッチで取られています。

■我々の取り組みについて
我々はこのような社会環境の中で、「合宿地づくりビジネスを通して地方地域のポテンシャルを発揮する」という取り組みを行っております。合宿所を運営しながら、単体施設の運営にとどまらず、地域に眠っているハコモノや自然の資源を活用して会社の成長と地域の発展を両立する取り組みです。

■合宿ビジネスについて
我々の事業の軸は合宿施設の運営です。
合宿(団体を中心とした宿泊)は一見非常にニッチな市場で、客単価が低いうえに季節変動の大きい、収益性の低いビジネスと思われがちです。宿泊業界のトレンドも以前の派手な社員旅行やバスツアーからネット予約を中心にした個人旅行へとシフトしています。
ところが実際は、合宿は景気の変動にあまり左右されない一定の市場規模(独自の試算では数千億円市場)がある上、効率の良い施設運営を行えば季節変動を考慮しても他の産業と比べて遜色のない利益率を確保できる事業だと考えています。さらに、一般的に合宿事業があまり注目されていないため新規参入が少なく、競合が少ない分野と言えます。

▶株式会社R.projectの強み・実績

■廃校活用の実績
宿泊業の経験ゼロの代表・丹埜が旧千代田区臨海学園を購入し、2007年に「サンセットブリーズ保田」を立ち上げ、合宿事業をスタートさせました。千代田区が運営していた頃は0に近かった学校行事以外の利用者は、現在年間約17000泊のご利用を頂くまでに至りました。区が赤字を理由に閉鎖した施設の収益を、昨年の震災前には営業利益率15%を超えるまで改善し、今年度はさらにその実績を上回る推移で進捗しております。5年目という宿泊業において若手に位置する小さな企業ですが、業界未経験の若手企業が「廃校活用」により、赤字の公共施設を”再生”させることができました。

■主要メンバーの若さと経験値
代表の年齢は34歳。その他の中心的スタッフも20代前半~30歳前後のメンバーが占め、「後継者不足」とは無縁の面々です。主要メンバーの大半が金融・人材・物流・情報通信・飲食等の複数業界における都内企業での実務経験があり、一般的に宿泊業界・観光産業の中では少ないと言われる、論理的思考やベンチャーマインドを併せ持ち、スピード感を持って事業を推進させております。

■徹底的なユーザー目線からの宿泊施設づくり
ご宿泊客様から獲得したアンケートをもとに週に1度、会議をひらきすべての要望に回答し、改善策を実行していく「カイゼンプロジェクト」に代表されるように、徹底したユーザー目線により、合宿団体のみならず一般の観光客からも高い顧客満足度を頂けるような施設づくりをおこなっております。

■強力なパートナー
創業当初よりアドバイザーとしてご助言・ご協力頂いているあすかアセットマネジメント株式会社代表取締役社長の谷家衛氏、事業に深く賛同頂きロンドン五輪以降に正式にパートナーとしてお迎えする予定の世界選手権400mハードル銅メダリスト・株式会社meme代表取締役の為末大氏をはじめとして、各分野に精通する様々なパートナーとの連携により、今までにない価値を生み出してまいります。また、地域ビジネスにおいて不可欠かつ難題ともいえる行政とのパートナーシップも良好です。鋸南町において、合宿事業を進めるにあたって収益向上要因となりうる地域スポーツの活性に対しては、社団法人を立ち上げ、年間4~5回のスポーツイベントを主催し、また白石治和鋸南町町長の推薦のもとに総合型クラブ化をおこない、「サンセットブリーズ保田」でおこなわれている地元の方たち向けのスカッシュスクールや個人型フットサルに加え、地域住民の定期的な運動環境づくりを推進しています。

▶株式会社R.projectの今後の展開と地域への貢献について

■「サンセットブリーズ保田」を通しての合宿施設モデルの確立による宿泊客数増加
5年目を迎えた「サンセットブリーズ保田」。「今までの合宿所とは違う!」「おいしい!」「雰囲気がいい!」とありがたいお言葉を頂くことが増えてまいりましたが、今後の新規施設の立ち上げや他社とのパートナーシップを深めるうえで、理想の施設を作り上げモデル化することは大変重要な役割です。まだまだ進化しなければいけません。モデル構築により鋸南町での「外貨獲得」をより大きなものにするところにとどまらず、他地域での展開を可能にします。

■鋸南町内における合宿コンテンツおよびキャパシティの増加による宿泊客数の増加と地域住民の利用に対する利便性向上

  • 海辺のコテージ
    「スポーツしたいけど、部屋にトイレがないのはイヤ」
    「お風呂が共用なので今回はお断りします」
    「ペットを連れて行きたいのですが。。」
    「また今年の夏も満室ですか。。」
    このようなお客様からの声を解消すべく、隣接する土地にコテージを新設する予定です。専用のシャワールーム、トイレ、キッチンスペース、共用のドッグランなど今までの「サンセットブリーズ保田」にはない設備を予定しています。せっかく海辺なのですから、デザインにもこだわる予定です。土地を所有する不動産会社様とは長期的なパートナー契約を結び、コテージ以外のプロジェクトにも携わって頂く予定です。
  • 汎用性の高い飲食スペース
    定員に対して、レストランエリアのスペースが小さい「サンセットブリーズ保田」。併設するカフェは夜はバーとして御宿泊者の憩いの場としてにぎわいますが、スペースは十分と言えません。敷地内に同程度の飲食スペースを新設し、学生の飲み会会場として、スポーツバーとして、人気の海鮮バーベキュー会場として、地元の方の憩いの場として、パーティースペースとして、ご利用頂けるような空間をあらたにつくります。
  • 公共運動場に隣接する合宿施設新設
    「サンセットブリーズ保田」から約3kmのところにある町営の「B&G海洋センター」。体育館、プール、野球場、武道場、弓道場などあらゆるスポーツに対応しています。また同センターに隣接するかたちで、社団法人「鋸南クロススポーツクラブ」が今夏に人工芝のサッカーグラウンドを敷設することになりました。施設から徒歩圏内でさまざまなスポーツに携わることができる「総合型スポーツ合宿施設」として、従来通り町民のスポーツの場として御利用頂きながら、外部からの合宿需要に対して魅力的な施設をつくりあげてまいります。また、運動施設を利用する地域の運動者に対するクラブハウスとしての要素も期待されます。
  • 人工芝フルピッチを利用した合宿の御提案および実施
    サッカー強豪県ともいえ、また首都圏からもアクセスが大変良い地域でありながら、千葉の南房総にはこれまで大学敷地内以外ではひとつも人工芝のサッカーグラウンドは存在していませんでしたが、この度鋸南町の社団法人「鋸南町クロススポーツクラブ」主導のもと、totoの助成金制度を活用した人工芝グラウンドが2012年7月に完成する予定です。「サンセットブリーズ保田」からも2kmほどの場所にあるため、「サンセットブリーズ保田」を拠点としたサッカー合宿が増えることが予想されます。
  • ハコモノ財産”を活用した新たな施設立ち上げ
    すでに具体的なお話を複数進めている最中です。 

    ・ある競技では有名な合宿施設の老朽化と不採算による取壊しの話に「マッタ」をかけて県と市に提案。

    ・年間数十万人を集客するレジャー施設に隣接するホテルの不採算による指定管理者の交代話に対して某リゾート運営企業様と連携して新たな指定管理体制を提案

    ・ある観光地の超一等地に立つ廃校活用のプロジェクトを地元で絶大な信頼を得ている教育産業の企業様と2社共同の提案。

    いずれも現在進行形のプロジェクトです。

■地域との連携強化
都内某有名ホテルの専属契約農家などもあるほど鋸南町の野菜はおいしくて種類が豊富です。これらの”資源”を「サンセットブリーズ保田」で最大限活用する為に、たとえば通常のサラダバーにその日に取れた野菜を数品くわえ、その日にしか味わえない見た目も味も新鮮なサラダバーづくりを進めることができます。また、鋸南町も属している南房総地域は剣道がさかんな地域です。たとえば都内から合宿に来た剣道少年団と鋸南町の少年団とのマッチメイクをアレンジすることもできます。このように地域との連携をさらに強化することにより、合宿参加団体の皆様へ地方の魅力をお伝えするばかりではなく、地元の方たちにとってもプラスの経験となるような連携づくりを担って頂きたいと思います。

■知名度アップ(対合宿利用客および対地域住民)
「サンセットブリーズ保田」も5年目を迎え、ご利用されたお客様の口コミやご紹介を通じて関東のお客様を中心に徐々にお名前を知って頂けるようになってきましたが、特段の工夫もせず、施設の強みに頼ったPRにとどまっているのが現状です。お問い合わせを頂く新規の御宿泊客様の大半がご紹介もしくはインターネットによる検索ですので、今後のPR次第ではさらに広く潜在層へのアプローチが可能になります。Twitter・Facebookなどの近代的インターネットツールをはじめとした様々な手段を駆使し、計画的にPR施策をおこなうことで、知名度向上のスピードアップをおこなって頂きたいと思います。対合宿の見込み客のみならず、地域住民に対する知名度向上も併せて行い、スクール利用や日帰りのコート利用の顧客層拡大を目論みます。

■収益最大化
千代田区臨海学園時代には年間500泊にも満たない宿泊施設でしたが、オープンした2007年に8,000泊を記録して以降毎年増え続け2010年には15,000泊を突破するまでになりました。震災後にキャンセルが相次いだ2011年におきましても、年間宿泊客数は前年割れをしたものの、ピークシーズンとなる夏に限定すれば過去最高の宿泊客数を記録し、2011年11月以降は前年比20%増の宿泊客数で推移しております。それでも年間200日以上ある平日の閑散期の客員稼働率は15%を上回ることができておらず、売上向上余地は多分にあります。コスト面についても、二大要素となる人件費と食材費において、シフト固定化や食材のロス調整や原材料の限定化等によるコスト低下余地は多分にあり、さらなる収益向上の余地は十分にあります。「サンセットブリーズ保田」において、経営陣はあくまでチェック機能としての役割に過ぎず、基本的には別の方の裁量にお任せしたいと考えています。

■経営層と連携し、新規施設の立ち上げをおこない他地域展開を進める
現在我々のところには、新たな”ハコモノ”活用の話が舞い込んでおり、それぞれの立ち上げプロジェクトについて、代表の丹埜を中心に進めています。「サンセットブリーズ保田」と今後のプロジェクトの大きな違いは、立ち上げプロジェクトの推進者と運営する支配人が異なる、ということです。立ち上げまでの仕事は引き続き丹埜がおこなってまいりますが、施設のスタート以降については、今後新たに参画される方に一任し、「サンセットブリーズ保田」で培ったノウハウを生かして、新規施設をいちはやく軌道に乗せる主導を手掛けて頂きたいと考えています。同時に後進育成にも力を入れて頂き、株式会社R.projectとして同時に多数の施設運営が手掛けられる体制を作り上げて頂きたいと考えています。

▶宿泊施設「サンセットブリーズ保田」概要

■臨海学園から誕生したスポーツ&ネイチャーアクティビティ宿泊施設
サンセットブリーズは旧千代田区保田臨海学園の施設をリニューアルオープンした施設です。保田臨海学園は42年間にわたり千代田区という大都心で学ぶ子供たちに対して、房総の自然や地方での暮らしといったかけがえのない体験を提供する施設でした。私たちは少子化の影響で閉鎖となった臨海学園を千代田区から譲り受け、リノベーションと一部の新設工事を終えた後、2007年11月にサンセットブリーズ保田としてオープンいたしました。

■臨海学園時代の約30倍の集客力
リニューアル時にフットサルコートとスカッシュコートを新設しました。また、専属シェフを招聘し、経営努力の積み重ねにより宿泊代を押さえつつ、運営をした結果、学園時代に約500泊にも満たなかった年間宿泊客数は、2012年度には学園時代のおおよそ35倍となる、18,000泊となりました。

▶宿泊施設「サンセットブリーズ保田」の強み

■専属シェフのプロデュースによるバイキング料理
創業当初よりキッチンマネージャーとして自ら腕を振るう宮嶋は、イタリアンレストラン、ちゃんこや店長、築地市場仲卸を経て三宿でバーを自ら開くなど、様々な食にまつわる業態に携わってきた経験を「サンセットブリーズ保田」で生かし、バイキング料理をプロデュースしています。館内でお客様から頂くアンケートでは、食事の評価が最も高く、5段階評価で平均「4.4」を頂いており、小学生の少年スポーツ団から、スカッシュを興じられるようなハイエンドな個人のお客様まで、幅広くリピートを頂くことができております。

■今までの合宿施設にはない内装や雰囲気
都内で企業向けの内装コンサルティング業務に携わっていた創業メンバーがプロデュースを手掛け、従来の築50年以上たった臨海学園の施設のベースを変えず、今まで「きたない」「ふるい」といった比較的ネガティブなイメージを持たれる合宿施設とは一線を画す、今までにない雰囲気をつくりあげることができました。合宿を目的とした団体様はもちろん、南房総に観光にいらっしゃる一般のお客様にもご満足頂き、リピートも増えつつあります。

■カイゼンプロジェクトによる改善への意識と実行の徹底
館内アンケートにはすべて目を通し、毎週1回会議を開きお客様から頂いたすべての要望に対して回答し、回答内容をすべてホームページで公表し、改善点を必ず実行する「カイゼンプロジェクト」をおこなっています。その結果、今までに改善された件数は300件を超え、プロジェクト開始後の顧客満足度は向上し続け、5段階評価の館内アンケート(「予約」「館内」「朝食」「昼食」「夕食」「接客」の6項目)では、プロジェクト開始時に3.90だった評価が2012年2月現在4.63まで上昇しています。これらを一過性のもので終わらせず、継続させていくことが合宿事業、さらには宿泊業界・観光産業における大きな強みとなるという自負を持ち、プロジェクトに取り組んでいます。

今回任せるプロジェクトの概要(団体のビジョンや戦略の中での位置づけ、実施背景や対象顧客、目指す状態・成果、このプロジェクトが地域に与えるインパクト、このプロジェクトの独自性など)

下記のプロジェクトの中から一つ、または複数を行っていただきたいです。

(1)スポーツによる町づくり事業

現在役場と進めている「鋸南クロススポーツクラブ」の活動を次のステップにレベルアップする役割。
2009年に発足した同協議会ではA.スポーツイベントの運営,B.スポーツフィールド(ランニングコースなど)の開発,C.地元のスポーツ振興、の3つの活動方針を持っています。それぞれについて、今までにない新規の取り組みを考え実践していただきたいです。

A.スポーツイベントの運営
鋸南町でおこなわれるスポーツイベントの運営側の中心として活動して頂きます。3月の「きょなん頼朝桜リレーマラソン」、6月の「きょなんヒルズマラソン」、10月の「きょなんアクアスロン」の3つが現在のメインイベントです。開催2回の「きょなんヒルズマラソン」が名だたるランニングイベントと肩を並べランナーズ「全国ランニング大会100撰」に選ばれるなど人気イベントも育ちつつある中、鋸南町観光協会、行政、レースディレクターの青山剛氏(トライアスロン元日本代表コーチ)らとともに既存イベントのさらなる発展や新規イベント立ち上げ等に携わるだけでなく、自ら中心となり主導して頂きたいと考えています。

B.スポーツフィールド(ランニングコースなど)の開発
鋸南町は自然を生かした様々なスポーツフィールドが存在しています。我々R.projectが運営する「サンセットブリーズ保田」には「都心から一番近いトライアスロンフィールド」のひとつとして、年間約10チームほどのトライアスロンチームが合宿のために来訪しています。鋸山や内房の海、そしてロングライドが可能な127号線を始めとした公道をを使い、すべての種目に対して目的に応じた様々なフィールドがご用意できる土地です。一方で、まだまだ鋸南町自体の知名度やその利便性に対する認知度は低く、「知る人ぞ知る」スポーツフィールにとどまっているのが現状です。まずは知ってもらうこと。そして各フィールドが明確化されるようなパンフレットやwebサイトなどのツール開発、そして距離表示や案内図の設置、町営バスの整備等の現地の利便性向上、これらを通じて首都圏をはじめとした運動愛好者の皆様により幅広く、そして深く知って頂き、来訪者を増やすための策を計画し実行して頂きたいと考えています。ランニングがブームから定着化の方向へ進む中、普段走り慣れた舗装された道に飽きて、大自然の中へ飛び出したい欲求も増えつつあります。ランニング、トレイルラン、ハイキング、自転車、マリンスポーツ等々、可能性を秘めたフィールドはまだまだ眠り続けています。

C.地元のスポーツ振興
2012年は「鋸南クロススポーツクラブ」にとって節目の年となりました。前身の任意団体から社団法人となりました。また、白石町長の全面的なバックアップを頂きつつtotoの助成金の採択を受け、7月にはフルサイズのサッカーがおこなえる人工芝グラウンドが完成することになりました。総合型地域スポーツクラブのメインフィールドとして、また地元クラブの活動場所として、地域住民のグラウンド利用頻度向上策を企画・実行して頂き、地域スポーツ振興の活性化を目指して頂きます。さらには「サンセットブリーズ保田」との連携によるスポーツ合宿地としてのメインコンテンツのひとつとして、外貨獲得による地域振興と、地元チームとのマッチメイク(交流試合)等によるさらなる地域スポーツ活性を同時に目指して頂きます。

(2)公共施設の民間活用事業

鋸南町にあるスポーツ施設、文化活動施設、廃校などを活用し、地域への訪問人口増加による経済効果や住民向けサービスの充実を図る事業です。地方地域には過去に建設されたいわゆる「ハコモノ」施設が多く、近年の人口減により利用者数は減り、維持管理費が地域財政を圧迫していることが少なくありません。
一方で、合宿を運営する事業者からするとこのような施設の価値は高く、地域外からお客様を呼び込むための貴重な資源となります。
本来の役割である地域住民のためのサービスを維持しながら、地域外からの集客も行えるようなスキームを行政に提案し、施設の有効活用を行えるようにするプロジェクトです。
現在、我々の活動拠点となっている鋸南町および周辺地域には現在運営している「サンセットブリーズ保田」同様に可能性を秘めている「ハコモノ」も少なくないと考え、対象地域として今後も注目していく一方、南房総に執着することなく、都心および地方中心都市から100km前後離れているような地域で「ハコモノ」施設が増えつつある地域に着目し、既存の「ハコモノ」施設に対して具体的な活用方法を提案し、「サンセットブリーズ保田」同様に運用し、5年以内に10施設を目標に開拓を進めてまいります。現時点でも2~3施設ほど具体的なお話が進んでいます。
施設の開拓やデューデリジェンス、交渉を得意とする代表の丹埜とタッグを組んで頂き、お互いの強みを生かしつつプロジェクトに取り組んで頂きたいと考えています。

(3)合宿施設の運用業務(マネージャーとして)

現在運営している「サンセットブリーズ保田」は5月から新たなマネージャーを抜擢し、彼女を中心に施設運営を進めています。彼女は昨年の本プログラムを通じて参画した23歳の女性です。当初はインバウンド戦略プロジェクトの運用を目的とした参画でしたが、彼女のオペレーション業務に対する適正と本人の希望を受けてこのような形を取ることになりました。やる気と適正さえあれば、年齢や勤続年数にかかわらず、任せるのが我々の方針です。5年目を迎えた施設ですが、まだまだ課題も多い一方、今年だけで大きな動きがいくつもあります。

  • コテージ増設による収容人数増加
  • 飲食部門のアウトソーシングによるコスト管理能力および品質維持能力の向上
  • カフェスペース増築による利便性向上
  • 地元社団法人の人工芝グラウンド敷設による合宿受け入れ種目の増加

これらの新たな動きに対応するオペレーションを構築しつつ、現場の1件1件のお客様対応をおこなって頂く業務です。決して楽な業務ではありません。
また前述のとおり、株式会社R.projectでは現在の単施設運営から「5年以内に10施設」という明確な目標を掲げ、「サンセットブリーズ保田」同様に地域の「ハコモノ」施設を活用した、地域活性を幅広く展開してまいります。それらの”横展開”を進めるうえで「サンセットブリーズ保田」による成功モデルの構築が急務となっています。

本プログラム参加者に期待する役割とプロジェクトの成果目標

【期待する役割】

合宿施設は通常のホテルや旅館以上に季節による宿泊客数の変動が大きく、シフト管理や食材コスト管理が難しく、閑散期の集客が施設全体の売上向上のみならず、あらゆる面で効率が向上しリスクの少ない施設運営への鍵となります。「サンセットブリーズ保田」も5年目を迎え、企業研修や長期滞在等の顧客層拡大のための価格最適化やホームページによるPR戦略、インバウンド戦略、インターネット予約増加のためのプランの増加や残室管理効率化戦略等により、今期の閑散期の集客数は従来の50~100%増を実現し、シーズナリティによる差を少しずつ埋まりつつあります。また、昨年からはじめた「カイゼンプロジェクト」により、スタッフやお客様の声から400以上のカイゼンが実行され、顧客満足度は有意に向上しつつあります。しかしながら、今後の施設展開を考えるとまだまだ発展途上であると言えます。具体的には地元農家との連携による野菜の地産地消を進めて食材のコスト削減、鮮度向上を図ったり、路線バスの充実化を行政と進め会議スペースや各種スポーツ施設への移動に対する利便性の向上を図ったりして頂きたいです。
新たな動きも対応しつつ今後の展開に繋がるモデルを構築する上で、現時点では代表の丹埜含めた役員陣も現場で動かなければいけない現状があります。マネージャーの彼女と共に「サンセットブリーズ保田」の運用やモデルケース構築、そして今後の展開される新規施設では「サンセットブリーズ保田」で構築されたモデルを持ち込み、立ち上げマネージャーとして施設をお任せしたいと考えています。

【最終的な成果目標】

(1) 新規イベントを最低1つ作る/イベントの効率運営+顧客満足度アップのためのマニュアルを作る/アウトドアコース・フィールドを開拓し、イベント時以外の定期訪問につなげるための形あるものを完成させる(パンフレット・pdfファイルなど)/本事業に該当する助成金を調査し活用する/

(2) 町内の公共施設を何らかの形(指定管理者、運営受託、借り上げ等)で運営できるように町に提案する/代表の丹埜と共に「ハコモノ」施設の活用方法を検討している地域もしくは企業に対して提案書を作成し、提案をする/

(3)備品コストや公共料金の見直しによる100万円のコスト削減達成/地域農家との連携による食材品質向上とコスト削減達成(具体的数値目標は未定)/具体的な顧客増加策実行による閑散期(4~6月および10~翌年1月)の単月過去最高利益の創出(具体的数値目標は直接お伝えします)/増築・グラウンド敷設等の新しい動きに対応したフロントおおよびメンテナンス業務のマニュアル作成/「カイゼンプロジェクト」主導と100個のカイゼン発案および実行/顧客満足度の向上(5点満点で0.2ポイント向上させる)

今回のプロジェクトでしか得られない経験・スキル等

  • ビジネスと地域活性化の両立
    今回のプロジェクトの一番特徴的な点は、地方地域の町おこしをしながら、同時に企業としての成長を追求するプロジェクトであるという点です。
    ボランティア活動では得られないチャレンジングな経験と、通常の企業では得られない「地域を変えていく」醍醐味が両立できます。
    それはこの事業が単に「合宿所ビジネス」ではなく、「合宿地づくりビジネス」であるからです。
  • 人的幅広さ
    地域に深く根ざしながら都心部や海外から人を呼び込む仕事であるため、仕事で接する人的なネットワークが非常に幅広く、柔軟なコミュニケーション能力が身に付きます。
    実際に普段から交流のある人々の例。→ 行政、地元農家、経営者、都心部の企業、外国人、子供、高齢者、スポーツ選手など。
  • 企業の創業期を経験できる
    R.projectは2006年11月に創業した、まだ若い会社です。地方地域のポテンシャル、東京圏や成長著しい海外市場、国策として強化される観光産業など、ビジネスを行う土俵や向かう方向は定まっていますが、道のりは自分たちが自由に決められる醍醐味があります。
    共感する仲間が集まり、会社が形成され成長する貴重な過程を経験できます。
  • 日本の根本的な課題に正面から取り組める仕事であること
    冒頭の説明通り、日本の地方地域の課題は日本自体が今後直面する課題であり、人やお金といった資本の移転以外に本質的な解決策はないと思います。
    今回のプロジェクトはまさにその課題と解決策に正面から取り組むことになるため、大きなやりがいとかけがえのない経験を積めると思います。
  • 共に取り組む、面白いメンバー
    現在アールプロジェクトには少数ながら多種多様なメンバーがおり、刺激的な環境で仕事に取り組むことになると思います。下記、社員の前職経験。
    外資系証券会社/国内最大手ヘッドハンティング会社/10代のときに海外で起業したトリリンガル/現役スカッシュ日本チャンピオン。

経営者メッセージ

私はR.projectを立ち上げる前、外資系の投資銀行という、世間では最もグローバルでチャレンジングな職場環境と言われるような職場におりました。29歳の時に起業し、やってきた鋸南町は人口9千人の、日本人でさえも知らない人が多い地域であり、その中で宿泊施設運営という、一般的に言えば非常にローカルで地味なキャリアを選びました。
ところが、今までやってきた5年間での私自身の実感としては、現在おかれている環境の方が、前職よりもはるかに広い視野が要求され、知的チャレンジと柔軟な人間性、そして時には大きなリスクテイクをする勇気が求められているように感じています。
グローバルな会社で分割された仕事をやっていた時よりも、社会の構図が凝縮されたローカルな環境で挑戦している今の方が大きな仕事をしている感があります。
フィールドが「田舎」であろうと、そこに存在する課題が日本、そして今後の先進国が直面する問題である以上、そしてその解決策が都心部や海外から様々な「資本」を地域に呼び込むことである以上、我々の日々の仕事は常に刺激に満ちています。
世の中に働かされるのではなく、自分なりに少しでも世の中を変えてみたいというポジティブな方をお待ちしています。

勤務条件

勤務頻度 週5日間程度。話し合いのうえ決定。
勤務時間 1日8時間程度。話し合いのうえ決定。
勤務地 東京(品川区大崎)もしくは鋸南町
活動手当等 各種交通費、食事、住居、等。
現地での生活にかかる費用 話し合いのうえ支給します。
必要な資格・免許等 自動車免許があると便利です。
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